障害年金でもらえる額はいくら?~令和5年度の受給額を社労士が分かりやすく伝えます~
病気やケガが原因で障害を負った方の生活を支える障害年金。
でも、「障害年金を受給したら、働くことができなくても生活できるの?」とか「みんなが同じ額をもらえるの?」など、気になる事が沢山ありますよね。
ここでは、障害年金でもらえる金額についてご案内します。
1.まずは初診日の加入年金を確認しよう!
障害年金の金額は、初診日(※)に加入していた年金制度の種類によって大きく異なります。
初診日において、自営業者·アルバイト生活者·学生等だった方、また、サラリーマンの配偶者(被扶養者)だった方は、国民年金の加入者であり、障害基礎年金が支給されます。20歳前に初診日があり、年金制度に加入していなかった方に支給されるのも障害基礎年金です。
初診日において、サラリーマンや公務員だった方は、厚生年金の加入者であり、障害厚生年金が支給されます。
障害基礎年金は障害の状態に応じて1級・2級の2段階、障害厚生年金は1級から3級までの3段階があります。
(※)初診日とは「障害の原因となった病気やケガについて初めて医療機関を受診した日」です。例えば精神疾患の場合、最初に精神科以外を受診したあと、精神科を受診するケースがあります。不調を感じて最初に内科を受診した場合は、「内科医受診の日」が初診日とみなされるので、注意が必要です。
※初診日において厚生年金に加入していた人は、障害等級3級よりも軽い一定の障害状態にある場合、「障害手当金」が一時金として支給されることがあります。
初診日の加入年金が国民年金の方(障害基礎年金を請求)⇒2へ
初診日の加入年金が厚生年金の方(障害厚生年金を請求)⇒3へ
2.障害基礎年金で受給できる額はいくら?
障害基礎年金は、一律で決められている基本の額が支給されます。2級は777,800円、1級はその1.25倍の972,250円です。また、障害基礎年金の受給権者に18歳未満の子(または障害の状態にある20歳未満の子)がいる場合、その子どもの数に応じて一定の額が加算されます。これを「子の加算」といい、基本の額にプラスされます。
<障害基礎年金の額>
3.障害厚生年金で受給できる額はいくら?
障害厚生年金は、個々の給与の額と加入期間に応じて基本の額が決まります。これを「報酬比例の年金額」といい、障害厚生年金1・2級に該当する場合には、障害基礎年金の額に上乗せする形で支給されます。3級に該当する場合は、報酬比例の年金額のみです。また、1・2級の障害厚生年金の受給権者に65歳未満の配偶者がいる場合、「配偶者加給年金額」がプラスされます。
<障害厚生年金の額>
<報酬比例の年金額はどうやって計算するの?>
報酬比例の年金額は、障害認定日の属する月までの加入期間とそれまでの報酬(給与や賞与の額)に比例した額です。平成15年4月から賞与の額も年金額に反映されることになったため、平成15年3月までと平成15年4月以降とでは計算式が異なっています。加入期間が両方の期間にあるときは、それぞれで計算した額の合計額が支給額となります。少し複雑な計算式ですが、一緒に見てみましょう。
①平成15年3月までの被保険者期間分(月給の平均で計算します)
平均標準報酬月額×7.125/1000×被保険者期間の月数
②平成15年4月以降の被保険者期間分(賞与を含む年収の月割平均で計算します)
平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者期間の月数
【モデルケース】 |
- 平成15年3月までの被保険者期間分
36万円×7.125/1000×166月=42万5,790円…(A)
- 平成15年4月以降の被保険者期間分
45万円×5.481/1000×184月=45万3,827円…(B)※1円未満を四捨五入
⇒(A)+(B)=87万9,617円 ☜これが報酬比例の年金額です!
このモデルケースでは、障害等級が2級のため、障害基礎年金の2級の額に上記報酬比例の額が
上乗せされるかたちになります。
受給額の合計は以下のようになります。
[障害基礎年金2級の額] 777,800円 + 223,800円 ↑ ↑ 基本の額(定額) 子の加算 |
+
[障害厚生年金2級の額] 879,617円 + 223,800円 ↑ ↑ 基本の額(報酬比例) 配偶者の加算 |
=2,105,017円/年(月額約17万5千円)
Point: ①加入期間の月数が300月に満たない場合は、300月とみなして報酬比例の額が計算されます。 ②障害基礎年金がつかない場合(障害等級3級の場合等)には、583,400円の最低保障額があり ます。 |
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