悪性関節リウマチとして
1. 悪性関節リウマチとは
既存の関節リウマチに、血管炎をはじめとする関節外症状を認め、難治性もしくは重篤な臨床病態を伴う場合、「悪性関節リウマチ」 と定義されます。ただし、内臓障害がなく、関節リウマチの関節病変が進行して関節の機能が高度に低下して身体障害がもたらせる場合には悪性関節リウマチと は言いません。
2. この病気の原因はわかっているのですか
関節リウマチと同様に原因は不明です。家族内に関節リウマチの人が約12%みられ、体質や遺伝が示唆されます。遺伝因子の1つと して、白血球の組織適合抗原のHLA-DR4は関節リウマチに多く認められますが、悪性関節リウマチにはより多く認められます。また、悪性関節リウマチで は、免疫異常が強く認められます。リンパ球の機能異常、リウマトイド因子(特に、IgGリウマトイド因子)の高値、免疫複合体の形成などが血管炎の発症に 関与していると考えられています。
3. この病気ではどのような症状がおきますか
全身血管炎型では既存の関節リウマチによる多発関節痛に、発熱 (38℃以上)、体重減少を伴って皮下結節,紫斑, 筋痛,筋力低下,間質性肺炎,胸膜炎,多発単神経炎,消化管出血,上強膜炎などの全身の血管炎にもとづく症状がかなり急速に出現します。末梢型動脈炎型で は皮膚の潰瘍,梗塞,または四肢先端の壊死や壊疽を主症状とします。全身血管炎型ではリウマトイド因子高値,血清補体価低値,免疫複合体高値を示します。
4. この病気にはどのような治療法がありますか
基本方針は、1)それまでの抗リウマチ剤による関節リウマチ自体の治療を継続することを原則とします。また、2)関節機能不全の 進行に留意して治療します。3)寛解するまでは入院治療を原則とします。4)その上で悪性関節リウマチに対する治療を行います。悪性関節リウマチに対する の薬物治療にはステロイド剤,免疫抑制剤,D-ペニシラミン,抗凝固剤などがあり,そのほか血漿交換療法も行われます。また、治療法の選択は臨床病態によ り異なります。
- 膿疱性乾癬について
- 肺動脈性肺高血圧症について
- 肥大型心筋症について
- 表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型)について
- 副腎白質ジストロフィーについて
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎について
- 慢性血栓塞栓性肺高血圧症について
- ADH分泌異常症について
- PRL分泌異常症について
- アミロイドーシスについて
- ウェゲナー肉芽腫症について
- オリーブ橋小脳萎縮症について
- クッシング病について
- クロイツフェルト・ヤコブ病について
- クローン病
- ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病について
- ゴナドトロピン分泌異常症について
- 多系統萎縮症 シャイ・ドレーガー症候群について
- スモンについて
- パーキンソン病関連疾患として
- ハンチントン病について
- ビュルガー病(バージャー病)について
- ファブリー病について
- ベーチェット病について
- ミトコンドリア病について
- モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)について
- ライソゾーム病について
- 亜急性硬化性全脳炎について
- 悪性関節リウマチとして
- 下垂体機能低下症について
- 家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)について
- 球脊髄性筋萎縮症について
- 筋萎縮性側索硬化症
- 結節性動脈周囲炎・結節性多発動脈炎について
- 原発性免疫不全症候群について
- 後縦靱帯骨化症として
- 広範脊柱管狭窄症について
- 拘束型心筋症について
- 混合性結合組織病について
- 再生不良性貧血について
- 重症急性膵炎として
- 重症筋無力症(公費対象)について
- 重症多形滲出性紅斑(急性期)について
- 進行性核上性麻痺として
- 脊髄小脳変性症として
- 脊髄性筋萎縮症について
- 先端巨大症について
- 全身性エリテマトーデスについて
- 多系統萎縮症について
- 多発性硬化症について
- 大動脈炎症候群について
- 致死性家族性不眠症について
- 潰瘍性大腸炎について
- 天疱瘡として
- 特発性拡張型(うっ血型)心筋症
- 特発性間質性肺炎について
- 特発性血小板減少性紫斑病について
- 特発性大腿骨頭壊死症について
- 難治性肝炎のうち劇症肝炎